こんにちは!りーこです!
私は糖尿病療養指導士(CDEJ)の資格を取得しました。
糖尿病療養指導士とは、日本糖尿病療養指導士認定機構で認定をしている資格で、
糖尿病治療の大切な自己管理を患者さんに指導する医療スタッフのことです。
看護師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、そして薬剤師の資格を持つ医療スタッフがCDEJの認定取得を目指すことができます。
認定されるための試験内容は、①客観試験と②自験例を10症例があります。
読者
10症例書くのって大変そう…
初めは症例のイメージがわかなくて私も不安だったよ!
でもこの記事を読み終わったら症例を書くイメージが持てるよ。
今回は糖尿病療養指導士の試内容である②自験例10症例の書き方をお伝えします。
今回登場する患者さんは実在しません。私が実際の患者さんを参考に架空の患者でお伝えします。
症例はいつ提出するの?
症例はWebシステムで入力したものをPDFで印刷して提出します。
詳細の操作方法は送付される実施要項に記載してあるので安心してください。
症例は受験申請書類提出の際に同封する必要がありますので、早めに準備しておきましょう。
ちなみに2020年度は2020年11月15日-12月7日が申請書類の提出期間でした。
症例の見つけ方は?
まずは自験例の候補になる症例をみつけましょう。
CDEJに新規申請をする場合は10症例記載する必要があります。
…とは言っても急に候補の症例を探すのは難しいと思います。
そんな方はまずこちらの記事を参考に、症例を見つけてみましょう!
症例は4部構成で記載する
実施要項にも記載がありますが自験例は4部構成で記載する必要があります。
- 患者の療養指導の問題点
- 自分が行った指導(自分の職種の指導)
- 他のスタッフとの連携
- 自分の指導による患者の変化
今回の記事でも上記の4項目準じて例文を記載します。
健康診断で初めて高血糖を指摘された1型糖尿病の例文
- 職場の健診で高血糖の指摘あり近医受診。HbA1c10%と高値のため、当院に紹介となった。高血糖及び半月前から口渇、体重減少、頻尿認めており入院して精査したところ1型糖尿病と診断された。初めて糖尿病と診断されたため糖尿病に対する知識が乏しかった。
- 糖尿病教室への参加を促し、糖尿病の病態や1型糖尿病におけるインスリン治療の重要性、食事療法について理解してもらえるよう努めた。
内因性インスリン分泌能低下しインスリン依存状態のため、インスリン自己注射導入となった。インスリン注射導入にあたり、インスリンの種類、作用発現時間、作用持続時間について説明し、超速効型と持続型インスリンの違いを理解してもらった。
低血糖症状と対応について説明行った。アカルボース錠の内服もしているため、低血糖時はブドウ糖での対応するよう説明し、退院時にブドウ糖を渡した。 - インスリン注射導入により食前血糖は速やかに改善したが、食後2時間血糖値は270mg /dL以上になることが続いたため、αグルコシダーゼ阻害薬の追加を主治医に提案した。
「一人暮らしで、退院後の食事での血糖値がイメージしにくい」との訴え聞かれたため、多職種カンファレンスを行い、外出や外泊を繰り返し行うことで退院後の生活をイメージしてもらった。 - インスリン自己注射手技、血糖測定、低血糖時の対応を正確に行えるようになった。
毎食直前にアカルボース錠が追加となり食後2時間血糖値は約270㎎/dLから約120㎎/dLまで改善した。
治療の自己中断を繰り返している患者の例文
- 2000年頃高血糖を指摘され、内服治療開始後に血糖値が改善し、自覚症状がないことから自己中断した。その後も通院再開と自己中断を繰り返しており今後も治療を中断する可能性があった。
以前ロスバスタチン錠内服後にアキレス腱痛の出現あり、横紋筋融解症疑われ中止した経緯あり。入院時もLDLコレステロール280㎎/dLと高値であった。
単純網膜症、腎症2期と合併症の進行があった。 - 糖尿病教室への参加を促し、糖尿病の病態や合併症を改めて理解してもらえるよう努めた。
追加となった処方薬の薬効や副作用について説明し、有害事象の発現がないかモニタリングをおこなった。
一緒に治療中断を繰り返した経緯を振り返り、治療を再び中断しないために、治療継続の必要性について患者と話し合った。 - 食事療法のみではLDLコレステロール値が改善しなっかたためアトルバスタチン錠が追加された。その後CKの上昇はなかったが下腿の違和感の訴えあり医師へ報告、エゼチミブ錠への処方変更提案した。
処方薬の副作用を病棟スタッフにも情報提供し副作用の確認を行った。
多職種カンファレンスで情報共有を行い、治療継続に繋がるよう声掛けを行った。 - エゼチミブ錠内服開始後LDLコレステロール値は112㎎/dLまで低下した。
糖毒性解除まではインスリン治療が必要であったが、内因性インスリン分泌能は保たれており、退院時は経口血糖降下薬のみで食前後血糖が約140㎎/dL前後まで改善した。
退院時に「糖尿病はどこも痛くならないから油断していた。今後は継続して通院する。」と前向きな発言があり、糖尿病治療や合併症への理解も深まった。また入院中の血糖値を自分でグラフ化しており「血糖値が下がって、さらに安定しました。」と自分自身で振り返りができるようになった。
膵癌の術前血糖コントロ―ルが必要な患者の例文
- 20年前に2型糖尿病を指摘され、中断なく通院していた。1カ月ほど前からHbA1c12%と急激に悪化しており精査したところ膵癌と診断された。
膵癌の術前であり、血糖コントロールが必要であった。
今までは内服薬の内服と食事や運動療法を頑張っていたが、術後はインスリンが必要になる可能性があり落ち込んでいた。
入院前に持効型インスリンが導入されていたが、入院後手技を確認したところ、右下腹部にインスリンを打つことが多いことが判明した。 - 罹患歴20年と長期だが、合併症の進行ほとんどなく今まで中断せず治療を行ってきたことを称賛し、膵癌術後もインスリン注射が必要になる可能性が高いため、不安を傾聴した。
持効型と超速効型インスリンの作用発現時間や持続時間、注射のタイミングの違いについて説明した。
インスリンは同じ場所に注射し続けると、硬結ができインスリンの吸収が不安定になり血糖コントロール不良につながる可能性を伝え、毎回2㎝ずつ注射部位をずらす必要があることを説明した。 - 膵癌による十二指腸狭窄の影響により、嘔気や食欲不振の訴えがあり管理栄養士に食事形態などについて本人と相談してもらうよう伝えた。
本人の術後やインスリン治療に対する不安の訴えをスタッフ内で共有した。
無意識に右下腹部にインスリンを打っていることが多かったため、看護師へ情報提供し、インスリンを注射する場所は少しずつずらすよう看護師からも声掛けしてもらった。 - インスリン注射時には毎回少しずつずらして行うようになり、インスリンの正確な手技を獲得することができた。
「インスリンは嫌だったけれど、合併症にならないために必要だと分かった。これからも血糖をコントロールしていかないといけないね。」とインスリン治療に対して前向きな発言聞かれた。
空腹時血糖は約350㎎/dLから約140㎎/dLへ低下し、膵癌の手術も無事終了した。
まとめ
皆さんの症例を記載するイメージをもつきっかけになれば嬉しいです!
内容が盛りだくさんなので、後編に続きます。
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